最近、マーケティングの世界では生成AIが当たり前になり、少人数でも大きな成果を出せる時代になりました。
だからこそ、感覚ではなく「結果で証明できるデータ」 が求められるようになっています。 昔のようにクリック数やいいね数だけでは、もう説明ができません。
そんな中、多くの人が悩んでいるのが Googleアナリティクス4（GA4）。ユニバーサルアナリティクスからの強制移行、複雑な操作、必要以上の機能…
正直、「なんだか使いこなせない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
僕も以前はGoogleアナリティクスとサイトをとりあえず連携をして、時々 PV数を確認するくらいで、細かい分析やデータの活用が全く出来ていませんでした。どのページが人気で、滞在時間がどれくらいというデータはわかりますが、GA4ではそれ以上のデータを知ることは難しかったです。
海外でもGA4から他のアクセス解析ツールに移行する流れがあり、最近では Umami というツールが注目されています。
今回はそんな Umami(ウマミ) の使い方、特徴、料金 などについてご紹介したいと思います。
Umami とは？
Umami とは、シンプルでプライバシー重視のアクセス解析ツールです。
メモ
サイトに軽量なスクリプトを設置するだけで、ページビュー、流入元、デバイス、滞在時間などの基本データを直感的に確認できます。Cookie を使用せずに計測できるため、クッキーバナーが不要になる場合があり、個人サイトや企業サイトでも導入しやすい点が特徴です。Google アナリティクス 4 のような複雑な設定や高度な知識を求められず、必要な情報を一画面で把握できます。さらに、UTM 計測、イベント追跡、ファネル分析、ユーザー導線の可視化などにも対応しており、サイト改善やマーケティング判断に役立つ実用性の高いツールです。
Umamiの特徴
主に以下のような特徴があります。
- シンプルで直感的なダッシュボード
- Cookie不要の計測に対応（クッキーバナーが不要になる場合あり）
- 導入はスクリプト1行だけで完了
- ページ速度に影響しない軽量トラッキング
- 基本データを1画面で確認（PV・訪問者・流入元など）
- UTMパラメータを自動計測
- イベント追跡が簡単に設定可能
- リアルタイムでデータ反映
- Breakdownで細かいセグメント分析が可能
- Funnelで離脱ポイントを可視化
- Journeyでユーザー導線を把握
- 短縮リンク機能でBitlyの代わりとして利用可能
- 複数サイトをまとめて管理できる
- セルフホスト対応でデータを自分で保持できる
- 無料プランありで個人利用にも最適
特に、Cookieを使わずにシンプルな設定だけで必要なデータを確認できる点は、GA4との大きな違いです。GA4のように複雑なレポート構成やタグ設定に時間をかける必要がなく、欲しい情報に最短でたどり着ける使いやすさがUmamiの強みと言えます。
Umamiの登録方法
詳しくは上の動画でご紹介しています。 まずは https://umami.is/ にアクセスをして、無料で登録することができます。
こちらから簡単にアカウントを作成することができます。1つの無料アカウントで3個までサイトを登録することができるので、複数のサイトを持っていても一元化して登録できます。
管理画面は日本語で利用できます。一部 おかしな日本語訳もありますが、普通に理解するには十分だと思います。
Umamiで確認できるデータ
Umamiでは主に以下のようにデータを確認することができます。
■ Goals（ゴール）
Umami の Goals は、サイト上で達成したい行動を計測できる機能です。特定のページ閲覧やボタンのクリックなどを「ゴール」として設定することで、どれだけのユーザーが目的のアクションに到達したかを数値で確認できます。ゴール達成率（コンバージョン率）が自動で算出されるため、問い合わせページへの遷移率や資料請求の完了率など、成果につながる重要な指標が一目で把握できます。GA4のように複雑な設定を行う必要はなく、シンプルな操作だけでトラッキングが開始できる点も大きな魅力です。これにより、改善すべき導線や成果が出ているページを正確に判断でき、マーケティング施策の検証がスムーズになります。
■ ファネル（Funnel）
ファネルは、ユーザーが目的に向かってどのステップまで進んだかを段階的に可視化する機能です。例えば「トップページ → 商品ページ → 申し込み → 完了」といった流れを設定すると、各ステップに到達したユーザー数と、どこで離脱したかが明確に確認できます。ステップは指定した順序で完了した場合のみ計測されるため、導線上のボトルネックを正確に分析できます。途中で他ページに移動しても、最終的に順番通りに進めば達成として記録される仕様のため、実際のユーザー行動に近いデータが得られる点も特徴です。サイト改善や申し込み率向上など、成果に直結する改善ポイントを特定する際に非常に役立ちます。
■ セッション（Sessions）
セッションは、1人のユーザーがサイト内でどのように行動したかをまとめて確認できる機能です。訪問開始から終了までの流れが1単位として記録され、滞在時間・閲覧ページ数・最初と最後のページなどが一覧で把握できます。個別ユーザーの細かい行動を追うことで「どのページで迷っているのか」「どこから離脱しているのか」といった具体的な課題を発見できます。GA4では確認しづらいユーザー単位での動きが、Umamiではシンプルに表示されるため、初心者でも理解しやすいのが魅力です。特に、滞在時間が短いセッションや、1ページのみで終了するケースを分析することで、改善が必要なページを効率よく特定できます。
個々のユーザの動きや、過去に訪れたことがあるかも確認することができる。
■ ジャーニー（Journey）
ジャーニーは、ユーザーがサイト内をどのような順番で移動したかを可視化する機能です。訪問者が最初にアクセスしたページ、どのページへ進み、どこで離脱したかといった流れをステップごとに確認できます。実際の行動パターンに基づいて表示されるため、想定していなかった導線や、ユーザーが意外に多く通っているページを発見できる点が大きなメリットです。
また、成果につながるパターンと離脱につながるパターンを比較することで、導線改善に必要な判断材料が得られます。ファネルが「理想のステップ」を分析するのに対し、ジャーニーは「実際の行動」を把握できるため、ユーザー体験の改善に非常に有効です。
短縮リンク発行機能
Umami の Link 機能は、Bitly のように短縮URLを発行し、そのリンクがどれだけクリックされたかを計測できる機能です。Umamiが生成した専用リンクを共有すると、クリックされた瞬間にデータが記録され、その後自動的に本来のURLへリダイレクトされます。
これにより、SNS、メール、広告、ブログなど、どのチャネルからの流入が効果的だったのかを簡単に把握できます。外部の短縮リンクサービスを使う必要がなく、アクセス解析とリンク計測が1つのツールで完結する点が大きな魅力です。さらに、UTMパラメータとも組み合わせられるため、キャンペーンの成果をより正確に比較でき、マーケティング施策の最適化に役立ちます。
GA4 と Umami の比較表
| 項目 | Umami | GA4（Googleアナリティクス4） |
|---|---|---|
| 導入・設定 | スクリプト1行で完了 | 設定が複雑、GTAGやGTMが必要になることも多い |
| UI（操作性） | シンプルで直感的 | 画面構成が複雑で慣れが必要 |
| 計測方式 | Cookie不要で計測可能 | 基本はCookieを使用（同意管理が必要） |
| 取得データ | 必要最低限で分かりやすい | 自動イベントが多くノイズが増えやすい |
| レポート表示 | 1画面で主要指標を確認できる | メニュー階層が深く目的のレポートを探しづらい |
| プライバシー対応 | EUサーバー選択可、GDPR配慮しやすい | 米国サーバー中心で説明が必要になる場合あり |
| 分析機能 | Goals・Funnel・Journey・Breakdownなど搭載 | 多機能だが設定が複雑で扱いにくい場合も |
| リアルタイム反映 | 数秒で反映 | やや遅延があることも |
| データ保持 | プランに応じてシンプル | データ保持期間に制限あり（設定も複雑） |
| ホスティング | クラウド版＋セルフホスト可能 | Google管理のみ、セルフホスト不可 |
| コスト | 無料プランあり、明確な料金体系 | 無料だが高度機能は学習コストが高い |
| 向いている人 | シンプルに必要なデータだけ見たい人 | 大規模解析・高度な連携が必要な人 |
このようにメリットがあります。
Umamiの料金について：無料で始められて選択肢が豊富
Umamiは、まず 無料プラン（Hobby） から利用できるのが大きな魅力です。無料プランでは月間 100,000イベント（events） まで計測でき、最大3つのサイトを登録できます。ここでいうイベントとは、ページビューだけでなく、設定したカスタムイベント（クリック計測など）も含まれるため、ページビュー数が多いサイトでは上限に到達する可能性があります。例えば、ページビューのみを計測している場合は「10万PV ≒ 10万イベント」と考えればよく、アクセス数が少なめのブログや個人サイトであれば無料の範囲で十分活用できます。
より多くのアクセスを扱う場合や、長期間データを保持したい場合は、有料プランにアップグレードできます。料金はイベント数に応じて段階的に増える仕組みになっており、必要な分だけ支払うシンプルな構成です。また、他の解析ツールのように機能制限が多いわけではなく、無料でも基本的な機能はすべて利用できます。
さらにUmamiの大きな特徴として、セルフホスティング（自前運用） という選択肢があります。オープンソースとして公開されているため、サーバーに自分でインストールすれば、イベント数の制限なく利用でき、データをすべて自分で保持できます。企業や高トラフィックサイト、データ管理を厳密に行いたいケースでも柔軟に対応できるのがポイントです。
まとめると、Umamiは「無料で始めたい個人」から「大規模なサイトを運用する企業」まで幅広く対応でき、料金面でも導入のハードルが非常に低いアクセス解析ツールと言えます。必要に応じてプランを選べるため、将来的な拡張にも安心です。
