今話題のMastodon(マストドン)って何？Twitterに代わる代替サービス

イーロン・マスクによる Twitter の乗っ取りは、ソーシャメディアプラットフォーム(SNS)で大きな騒ぎを引き起こしました。

幹部の即時解雇からヘイト行為の急増まで、プラットフォームにもたらされる劇的な変化により、多くの人がTwitterからマストドンのプラットフォームへの移行することについて話し合っています。

Twitterはこれから大きく変化すると思われます。実際にイーロン・マスクはTwitterのブルーバッジを月額8ドルにするプランも提示しています。今後、それ以外にも大きな変更があることは海外でも噂されています。

※ちなみに筆者はイーロン・マスクのファンです(笑)

マストドン(Mastodon)とは？

Mastodonは、Twitter に代わるオープンソースのマイクロブログプラットフォームです。マストドンは中央集権型のプラットフォームではなく、ユーザーが管理する独立したサーバーで構成されています。ユーザーは 1 つのサーバーに基づいていますが、他のユーザーと自由に対話できます。

機能としてはTwitterとほとんど同じで、ハッシュタグ、ユーザーアカウント検索、タグ付け、メディアアップロードなどの機能が存在しています。主な違いは、Mastodon が分散化されていることです。つまり、Twitter のように、どこかの企業によって管理されている訳ではないということです。

Mastodon はオープンソースです。つまり、誰でもコードを確認したり、それを使用して独自のサーバーを作成したり、独自のフォークを作成したりできます。資金調達はすべてクラウドソーシングです。Mastodon には広告もアルゴリズムもありません。企業に支配されることなくコミュニケーションを取り、コミュニティを構築する手段を提供することに重点を置いています。

また、Mastodonと他のSNSの大きな違いは、フィード(タイムライン)が時系列という点です。

ほとんどのソーシャルメディアプラットフォームは時系列のフィードを使用しません。YouTube、Instagram、Facebook、Twitter はすべて、アルゴリズムを使用して、開いたときに何が表示されるかを決定します。例えば、Youtubeを開いたときに何故か1年前のコンテンツが一番最初に出てきた経験があると思います。これは時系列ではなく、Youtubeのアルゴリズムによって最適だと思われるコンテンツが上位に表示されるためです。

他のプラットフォームは最も関連性の高い情報を人々に提供することを目的としていますが、完璧なアルゴリズムは存在しません。陰謀論や誤った情報がプラットフォームのフロントページに簡単に掲載される可能性があり、コンテンツ作成者は、料金を支払わない限り、コンテンツを閲覧できるフォロワーの数がアルゴリズムによって制限されていることに気付くことがよくあります。

Mastodon は時系列のフィードを表示することでこれを回避します。フォローしているユーザーからの投稿のみが、共有された順に表示されます。あなたが見るものに影響を与えるアルゴリズムや広告はありません。プラットフォームや他のクリエーターが多額の広告費を支払って操作された情報がフィード上位に表示されることはなくなります。

ちなみに「マストドン」という名前の由来は2000 万年以上前に絶滅をしたマンモスのような動物の名前から来ています。実際にマストドンのロゴからもそれが伺えます。

今回のTwitterの件があったので、最近海外では話題になっているマストドンですが、実は初回ローンチは2016年ということで結構前から存在していたソフトウェアではありました。

その他の概要

言語：Ruby on Rails, JavaScript (React.js, Redux)
OS：Cross-platform
動作プラットフォーム：iOS, Android, Linux, BSD, Sailfish OS, macOS, Microsoft Windows
ライセンス：AGPLv3
開発者：Mastodon gGmbH

マストドンはどのように機能しますか?

各サーバーは、そのコミュニティによって所有、運営、管理されています。しかし、サーバーを運用するにはお金がかかります。マストドンは外部からの資金調達ではなく、クラウドファンディングを通じて資金を調達しています。

広告がないため (ほとんどのサーバー管理者は広告アカウントを禁止および禁止しています)、Mastodon は完全にクラウドファンディングで運営されています。プロジェクト全体またはサーバー管理者、あるいはその両方に寄付できます。これは、コミュニティに賛同を与える良い方法であり、さらに別の企業体にお金を渡すのではなく、コミュニティをより大きな全体の一部にすることができます.

サーバーは個別に運営されますが、ネットワーク全体から分離されていません。ユーザーは、任意のサーバー上のユーザーをフォローして対話できます。サーバーからのコンテンツが表示されない唯一の方法は、非公開に設定されている場合です。

マストドンの使い方は？

マストドンは、AndroidとiOSの両方に公式の Mastadon モバイルアプリがあります。(新しいタブで開きます)に加えて、Tusky や Metatext などのコミュニティのものも多数あります。Mastodon Web アプリは、デスクトップとモバイルでも非常に優れており、前者では複数列の Tweetdeck のような UI を利用できます。

Mastodonを使い始める時点で、Twitter アカウントにサインアップすることとはかなり異なることに気づくと思います。

まず、サーバーを見つける必要があります。ほとんどのサーバーは一般的で自由トピックなものが多いです。つまり、コンテンツルールの範囲内であれば、基本的に何でも話すことができます。(私が遭遇したすべてのサーバーには、ヘイトスピーチを容認しない行動規範があります。)

他のサーバーは、気候変動、政治、FOSS などの専門のトピックのものです。これらの多くは、サーバーのテーマに関連する投稿をすることを好みます。

もしくは自分でサーバーを始めることもできます。もし何かしらの専門トピックのコミュニティを作成したい場合は自分でサーバーを建ててみるのも面白いと思います。

Twitter に初めて参加すると、興味のあることを尋ねられ、フォローするアカウントがいくつか提案されます。この時点でTwitter側からのアルゴリズムの計算が行われています。

Mastodon での投稿の作成は、Twitter の場合とよく似ています。テキスト投稿には 500 文字の制限があり、必要に応じてメディア、投票、コンテンツ警告を添付できます。その後、それらをコミュニティまたはフォロワーとのみ共有できます。

※ ちなみにマストドンではツィート(Tweet)することを「ツゥート(toots)」と呼びます。

フォロワーだけに非公開で共有したい場合は、そういう機能もあります。これにより、投稿がローカルサーバーとフェデレーションタイムラインに送信されなくなります。個々のユーザーまたはインスタンス全体を完全にブロックすることもできます。

もちろん、すべてが秘密であると思い込まないでください。あなたのプライベートメッセージは暗号化されておらず、サーバー管理者が読むことができるため、Mastodonはパスワードなどの機密情報について話し合う場所ではありません。会話に最大限のセキュリティが必要な場合は、Signal を使用することをオススメします。

マストドンに乗り換えるべき？

Mastodon は複雑に見えるかもしれませんが、それを使用するために専門用語を理解する必要はありません。すでにTwitterを利用していた人なら簡単に慣れると思います。

Mastodon を使い始める上で最も複雑な部分は、ニーズに合ったオープンサーバーを見つけることです。現時点で 100 を超えるマストドンのサーバーリストがあり、一部のサーバーではWait list を待つ必要があるものもあります。ただ、大半は自由に受け入れを行っているので、簡単にユーザー登録をすることができます。気に入ったサーバーが見つかったら、準備完了です。

マストドンのデメリットは？

マストドンを使用する際には少なからずデメリットやリスクもあります。

実際に各サーバーは誰かが管理しているので、その管理者がサーバーを閉じた場合は、当然各ユーザーのすべてのデータも削除されてしまいます。また、マストドンのサーバー管理者はすべての権限を持っているので、特定のユーザーのトゥートを勝手に削除したり、ユーザー自体を勝手に退会させることもできます。また、プライベートで投稿したトゥートを管理者が勝手に見るということも仕組み上できてしまいます。

現在、100個以上のサーバーがありますが、サーバーに参加する前にサーバー運営元をしっかりと精査する必要があります。安易に適当にサーバーに入ってしまうと、情報を盗み取られる可能性もあります。実際にマストドンの公式サーバーリストに掲載されているサーバーは一定の基準をクリアしたサーバーが掲載されていますが、それでその点は自己責任となります。